SPACESTOCK 01

夫婦で営むエステサロン兼美容室のインテリアデザインである。
施主が望んだのは、30m2という限られた大きさに各機能や収納、そして何より、未就学児を含む子連れにも親しみやすい空間を必要としていた。また、次世代に対して環境の配慮を考えていた。

質量の70%以上に再利用を目指した

そこで、子供の親しみやすさと収納を親和させる様に、「フレーバーアイス」のチップをメタファーとしたチップウレタンを壁一面に仕上げることとした。また、下地材から仕上材にいたるまで、質量の70%以上に再利用、リサイクル素材等を使用し、廃棄物を最小限に抑えた提案をした。

クッション材としても利用されるチップウレタンをカットして配置することで、さし込む、はさみ込むなどの行為が可能となった。 ディスプレイとしての棚は勿論のこと、花器やカット中の道具置場、さらに下を向くと、子供が絵本やおもちゃを挟み込んでいたりと、目線ごとにアクティビティのグラデーションが現れ、訪れる人々を楽しませるだろう。

原始的行為からの着想

子供の頃、電車のシートの隙間に手を入れたり、ものを詰め込んだりした経験がある。手を突っ込んで寝てしまい、最寄りの駅を乗り遅れるほど、居心地が良かった。誰もがやったことのある経験ではないだろうか。

マテリアルの展開(素材について)

ソファやマットレスのクッション材や建築の断熱材として使用されているウレタンという素材がある。仕上材の中に潜んでいる為、通常は目に見えてこない素材でもある。耐久性が失われると、ウレタンフォームはチップ状に粉砕し接着させてウレタンチップという塊で再利用される、いわばウレタンチップはリサイクルの最終地点である。リサイクルの最終地点でもあるウレタンチップをクッションや断熱の様な裏方ではなく、建築の表面に効果的に展開し昇華させることを試みた。